
開示:本記事はORIZI Groupが発行しており、当社の製造経験・サービス・能力に言及する場合があります。外部の事実に関する記述には出典を示しています。
この記事のポイント
- サウジアラビア:化粧品は、サウジ食品医薬品庁(SFDA)にリスティングされるまで輸入・販売できません。
- UAE:化粧品はUAE産業・先端技術省(MOIAT)の連邦制度「首長国適合性評価制度(ECAS)」の対象で、ドバイではさらにドバイ市(Dubai Municipality)の製品登録が加わります。
- ハラール:SFDAとJAKIMは2023年5月、ハラール証明書の相互承認に関する覚書に署名しました。UAEでは、MOIATに登録された認証機関がハラール証明書を発行します。
- 処方を先に固める:サウジアラビアでは、成分や配合濃度を変更すると、更新ではなく新規の届出が必要です。
対象範囲と用語
対象範囲は、2026年10月時点の、マレーシア製の化粧品・パーソナルケア製品と粉末の健康志向食品のサウジアラビア・UAE向け輸出です。当社の国別の化粧品輸出要件(英語)の湾岸諸国の項目を、さらに詳しく掘り下げています。インドネシア向けの要件はインドネシアのハラール認証義務化と化粧品輸出の記事で扱っています。
SFDAリスティングとは、サウジアラビアの化粧品登録簿への登載で、これにより製品の輸入・販売が可能になります。ECASとは、UAEの技術規則の対象製品に対する、連邦レベルの適合証明制度です。
マレーシア製のハラール化粧品はUAE・サウジアラビアで販売できる?
はい、各国の市場参入手続きを満たせば販売できます。両国とも、製品を市場に出す現地の事業者を通じて規制しており、マレーシアの製造工場は、内容がそろった一貫性のある書類一式を提供します。
| 項目 | サウジアラビア | アラブ首長国連邦(UAE) |
|---|---|---|
| 規制当局 | SFDA | MOIAT(連邦)に加え、ドバイ市などの首長国当局 |
| 市場投入前の手続き | SFDAの統合電子システム(GHAD)での製品リスティング(届出) | ECAS適合証明書。必要に応じて首長国での製品登録 |
| 申請者 | 商業登記を持つサウジアラビアの届出者(製造者またはブランドオーナーの公証済み委任状により授権) | 有効なUAE商業・工業ライセンスの保有者(輸入者、販売代理店または製造者) |
| 有効期間 | リスティング証明書は5年間。期限の90日以上前に更新 | ECAS証明書1件につき1年間(MOIAT指定認証機関の記載による) |
| ハラール | サウジ・ハラールセンター。SFDA–JAKIMの相互承認に関する覚書(2023年) | MOIATに登録されたハラール認証機関(2014年閣議決定第10号) |
サウジアラビアで化粧品を輸入するには?SFDAリスティングの流れ
サウジアラビアで化粧品を輸入・販売するには、SFDAによるリスティングとリスティング証明書の取得が前提です。SFDAの化粧品法施行規則は、化粧品は当局によるリスティングと証明書の取得までサウジアラビアで輸入・販売できないと明記しています。現行のSFDAガイダンスでは、この手続きをGHADで行います。
- 届出者を立てる。サウジアラビア側の事業者が、化粧品事業を含む商業登記でGHADアカウントを開設し、申請担当者への公証済み委任状を用意します。
- 製造者側から授権する。SFDAは、製造者または製品の輸入元となる事業者による公証済み委任状(または受託製造契約書)を、レターヘッド付きで署名・押印したものとして求めています。
- 製品情報を入力する。ラベルデザイン、公開用の製品写真、全成分とその配合濃度・役割を入力します。このデータの正確性には届出者が責任を負います。
- ラベルと表示内容を確認する。ラベルはSFDA.CO/GSO 1943、表示内容(クレーム)はSFDA.CO/GSO 2528に従います。サイズ・色・バリエーションごとに個別のバーコードが必要で、ラベルには届出について記載しません。
- 出荷ごとに適合証明書を付ける。各貨物には、SFDAが承認した適合性評価機関がFasahプラットフォームを通じて発行する適合証明書(Certificate of Conformity)が必要です。
- リスティングを維持する。SFDAは、書類のそろった申請に対して15日以内に判断します。更新は証明書の期限の90日以上前に申請します。
届出者には継続的な義務もあります。製品の安全性の確保、要請に応じた製品情報ファイル(SFDA.CO 6000:2020準拠)の提出、そしていずれかの国で発生した健康被害・製造上の誤り・リコールの報告です。SFDAは、販売届出が製品の評価・承認を証明するものではないとしています。
UAEで化粧品を販売するには?MOIATのECASとドバイ市の製品登録
UAEの規制は、連邦レベルのMOIAT適合証明書(ECAS)と、ドバイ市などの首長国レベルの製品登録の2層構造です。連邦レベルでは、MOIATのECASサービスがUAE技術規則の対象製品を認証し、MOIAT指定の認証機関は化粧品・パーソナルケアをECASの対象範囲に含めています。MOIATのサービスページが申請者に求めているのは次のとおりです。
- 有効なUAE商業・工業ライセンス — つまり申請者はマレーシアの工場ではなく、UAEの輸入者または販売代理店です。
- 認定試験所による製品の試験報告書
- 適合の継続に関するオンライン宣誓
- 手数料:技術審査AED 500、証明書発行AED 2,500(2026年10月時点の掲載額)
首長国レベルでは、ドバイで販売する製品はドバイ市のMontajiシステムで登録します。UAEでは、すべての証明書と登録は現地のライセンス保有者が申請し、海外の工場は根拠資料を提供します。ラベルデザインの確定前に、最新のドバイ市のチェックリストを輸入者と確認します。
JAKIMのハラール認証はサウジアラビア・UAEで認められる?
サウジアラビアについてはSFDAとJAKIMがハラール証明書の相互承認に関する覚書を交わしており、UAEではMOIATに登録された認証機関のハラール証明書が認められます。サウジアラビアとの間には政府間の直接の枠組みがあり、2023年5月28日、SFDAとJAKIMは、両国で製造され相互に輸出される製品について、サウジ・ハラールセンターとJAKIMが発行するハラール証明書の相互承認に関する覚書に署名しました。食品については、SFDAの通関規則により、ゼラチン、動物性油脂、レンネット、食肉由来成分などハラール証明が必要な場合や、ラベルにハラールロゴを表示する場合に、サウジ・ハラールセンターが指定する機関のハラール証明書が求められます。
UAEでは、2014年閣議決定第10号がハラール管理制度を定めています。事業者は、最終製品と原料のハラール証明書を、MOIATに登録された認証機関から取得します。MOIATは化粧品・パーソナルケア向けのハラール規格UAE.S 2055-4と、任意のUAEハラール・ナショナルマークも掲げています。UAE向けのラベルにハラール表示を入れる前に、認証機関がその製品カテゴリーで認められているかを、MOIATの登録簿で輸入者に確認してもらいます。JAKIMハラール認証の制度と取得の流れはハラール化粧品の認証ガイドで解説しています。
| 確認事項 | サウジアラビア | UAE |
|---|---|---|
| 認められるハラール証明書の発行者は? | サウジ・ハラールセンターが指定する機関。2023年のSFDA–JAKIM覚書に基づくJAKIMの証明書 | MOIATに登録されたハラール認証機関 |
| 化粧品 | 通関はリスティングと適合証明書が中心。ハラール書類はハラール表示を裏付ける | UAE.S 2055-4が化粧品・パーソナルケアのハラール要件を規定 |
| 食品・健康志向食品 | 通関条件で求められる場合、またはハラールロゴを使う場合にハラール証明書が必要 | 最終製品と原料のハラール証明書 |
マレーシアの製造工場が準備する書類は?
湾岸諸国での発売は、輸入者が初日からそろった書類一式を受け取れると円滑に進みます。各書類の詳細は化粧品輸出書類の解説(英語)にまとめています。
| 書類 | 湾岸側パートナーが必要とする理由 |
|---|---|
| 配合濃度と機能を記載した全成分リスト(INCI) | SFDA届出のデータ。湾岸諸国の禁止・制限成分リストとの照合 |
| アラビア語表示面を含むラベルデザイン | SFDAのラベル審査。UAEでの登録 |
| 公証済み委任状または受託製造契約書 | SFDA届出に必要 |
| 認定試験所の試験報告書 | UAEのECAS申請。サウジアラビアの出荷時の適合証明 |
| 製品情報ファイル(安全性・安定性・規格) | サウジアラビアの届出者が要請に応じて提出する必要がある |
| GMP証明書とハラール証明書 | 輸入者のデューデリジェンス。ハラール表示の裏付け |
| 自由販売証明書(Certificate of Free Sale) | サウジ・ハラールセンターの申請書類に記載。届出済みの化粧品にはNPRAが発行 |
ドリンクパウダーや小袋入り製品などの健康志向食品は?
粉末の健康志向食品は、食品の規則に従います。サウジアラビアでは、SFDAの食品通関条件により、製品に必要な場合のハラール証明書、食肉・家禽・原料ゼラチンのハラール屠畜証明書、そしてラベル上のハラールロゴの根拠が求められます。UAEでは、同じ2014年閣議決定第10号のハラール制度が食品にも適用されます。ORIZI Groupでは、粉末の健康志向食品とサプリメントをD&O Nutraceutical Manufacturing Sdn. Bhd.(2020年からJAKIMハラール認証、2025年からFSMAに基づく米国FDA食品施設登録)が、小袋(サシェ)入りの液体ファンクショナル飲料をNutrizens Wellness Sdn. Bhd.(2025年からJAKIMハラール認証)が製造しています。カプセル・錠剤のサプリメントは、湾岸諸国の国によって食品またはサプリメントのどちらかの区分に入る場合があります。詳しくは国別の食品・サプリメント輸出要件(英語)と、Amazon・湾岸諸国向けの電解質パウダー輸出カタログ(英語)をご覧ください。
ORIZIの視点:処方を固める前に湾岸向けの書類を準備する
ORIZI Groupの輸出向け製造の経験では、湾岸プロジェクトで最も時間を節約できるのは、輸入者が申請する前に3つを確定させることです。処方(サウジアラビアでは成分や濃度の変更が新規届出を意味するため)、アラビア語表示面、そしてハラール書類です。化粧品はDr Orizi (M) Sdn. Bhd.が製造しており、同社はJAKIMハラール認証(2015年から)、ISO 22716(2022年から)、化粧品GMP(NPRA)(2024年から)を取得し、2014年からマレーシア貿易開発公社(MATRADE)の登録会員です。当社は製品がまだ試作段階のうちに輸出先の規制チェックを行い、SFDA届出が求める配合濃度と機能を記載した成分表を提供します。申請と登録の保有は、サウジアラビアの届出者とUAEのライセンス保有者が行います。
湾岸スタイルの製品は、マレーシア国内ですでに売れています。マレーシアでは「lattafa perfumes」が月平均3,600件、「oud perfume」が1,600件、「arabian perfume」が1,300件検索されています(Googleキーワードプランナー、マレーシア、2025年7月〜2026年6月)。アラビアンスタイルの香水を販売するブランドにとって、湾岸諸国は自然な次の市場です。アルコールベースの香水の輸送ルールは海上輸送と航空輸送の比較(英語)で解説しています。
注意点・よくある失敗
- 届出後に処方を変更する。サウジアラビアでは、成分、配合濃度、ブランド名、製品名、製造者、使用目的のいずれかを変更すると、新規の届出が必要です。
- リスティング前に広告する。サウジアラビアの規則では、リスティング前の化粧品の広告・販促は認められていません。
- 1つのハラール証明書ですべての表示をカバーできると考える。UAEについてはMOIATの登録簿、サウジアラビアの食品についてはサウジ・ハラールセンターの指定を、認証機関ごとに確認します。
- 旧ポータルを前提に計画する。SFDAの化粧品届出は現在GHADで行われています。生産前に、輸入者と最新の手順を確認します。
- 対象外の事項。輸入関税、付加価値税(VAT)、フリーゾーンでの会社設立は扱っていません。
よくあるご質問
UAE・サウジアラビアへの化粧品輸出に必要な登録は?
サウジアラビアでは、SFDAのGHADでの製品リスティングと、出荷ごとの適合証明書が必要です。UAEでは、MOIATのECAS適合証明書と、ドバイ市などの首長国での製品登録が必要です。いずれも、マレーシアの工場ではなく現地の届出者・ライセンス保有者が申請します。
中東でハラール認証は必須?
製品と表示によって異なります。サウジアラビアの化粧品は通関の中心が製品リスティングと適合証明書で、ハラール書類はハラール表示を裏付けるものです。食品は、通関条件で求められる場合(ゼラチンや動物性油脂などを含む場合)やハラールロゴを使う場合にハラール証明書が必要です。UAEでは、ハラール証明書はMOIATに登録された認証機関が発行したものに限られ、化粧品・パーソナルケアのハラール要件はUAE.S 2055-4が定めています。
JAKIMのハラール認証はサウジアラビアで認められる?
正式な根拠があります。SFDAとJAKIMは2023年5月、両国で製造され相互に輸出される製品のハラール証明書の相互承認に関する覚書に署名しました。製品カテゴリーへの適用については、サウジアラビアの輸入者に確認します。
UAE向けに別のハラール(ハラル)認証が必要?
認証機関によります。UAEのハラール証明書は、2014年閣議決定第10号に基づきMOIATに登録された認証機関が発行したものである必要があります。ハラール表示を印刷する前に、その認証機関が製品カテゴリーで認められているかを輸入者に確認してもらいます。
サウジアラビアの化粧品登録は誰がする?工場?輸入者?
サウジアラビアの届出者が、製造者またはブランドオーナーの公証済み委任状に基づき、SFDAのGHADで申請します。マレーシアの工場はデータと書類を提供します。
SFDAの化粧品リスティングの有効期間は?
化粧品法施行規則に基づき5年間で、更新は期限の90日以上前に申請します。SFDAは、書類のそろった申請に対して15日以内に判断します。
同じ処方でUAEとサウジアラビアの両方に輸出できる?
多くの場合は可能です。両国の成分規則に照らして確認し、ラベルにそれぞれが求めるアラビア語の情報を載せることが条件です。申請前に処方を確定させます。
参考資料
- SFDA — 化粧品法施行規則(Implementing Regulation of the Cosmetic Products Law) — 輸入前のリスティング、5年間の証明書、15日以内の判断、届出者の義務、リスティング前の広告禁止
- SFDA — 化粧品届出のガイダンスと要件(PDF) — GHADでの申請、必要書類、GSO 1943・2528、新規届出が必要な変更、90日前の更新
- SFDA — 化粧品の通関条件(PDF) — Fasah経由の出荷ごとの適合証明書
- SFDA — 食品通関の条件と要件(PDF) — サウジ・ハラールセンターが指定する機関による食品のハラール証明書
- SFDAニュース(2023年5月28日) — SFDA–JAKIMのハラール証明書相互承認に関する覚書
- MOIAT — 規制対象製品の適合証明書発行(ECAS) — 申請書類と手数料
- MOIAT — UAEハラール — 2014年閣議決定第10号、登録認証機関、UAE.S 2055-4、任意のハラール・ナショナルマーク
- TÜV Rheinland — UAE MOIAT ECAS認証 — 化粧品をECASの対象範囲に含む指定機関、有効期間1年
- ドバイ市 — Montaji製品登録ポータル — ドバイでの首長国レベルの製品登録
- JAKIM — Halal Malaysiaポータル — マレーシアのハラール認証機関
更新履歴:2026年10月12日 — 日本語版を公開(英語版2026年10月12日公開記事をもとに日本語読者向けに再構成)
サウジアラビア・UAEでの発売を計画中の場合は、まずハラール輸出市場の概要をご覧いただくか、製品と輸出先をお知らせください。生産前に、市場と書類のチェックを行います。