ORIZI Group · 規制・認証ガイド

Disney FAMAとは?キャラクターコスメOEMに必要な工場認定とマレーシアの化粧品規制

ライセンス化粧品の製造で、FAMAが証明すること・証明しないこと、そしてマレーシアのNPRA規則との関係。

執筆・調査:Lai Gek Yan(品質保証・QA担当)・技術協力:ORIZI Group 薬事・品質保証チーム・ファクトチェック:Creaton Poh・発行:ORIZI Group・最終確認:2026年10月

開示:本記事はORIZI Groupが発行しており、当社の製造経験・サービス・能力に言及する場合があります。ORIZI Groupの化粧品会社であるDr Orizi (M) Sdn. Bhd.は、Disney FAMA認定施設です。ORIZI Groupは、Disney、Marvel、Pixar、Star Warsのいかなる知的財産も所有またはライセンスしておらず、本記事はライセンス契約に関する法的助言ではありません。外部の事実に関する記述には出典を示しています。

クイックアンサー

Disney FAMA(施設・商品認可)とは、特定の工場がDisneyのコンプライアンス基準を満たし、指定されたライセンシーのためにDisneyの知的財産を用いた製品を製造できることを、The Walt Disney Companyが確認する文書です。国際労働基準(ILS)監査の合格後にライセンシーごとに発行され、有効期間は最長1年です。マレーシア製のライセンス化粧品では、FAMAの対象は工場であり、製品自体は販売前にNPRAへの化粧品届出が必要です。

この記事のポイント

キャラクターコスメなどのライセンス商品には、多くのブランドオーナーが発売日が危うくなって初めて知る、2つの承認があります。IP権利者による工場の承認と、規制当局による製品の受理です。Disney、Marvel、Pixar、Star Warsの製品の場合、前者を「FAMA」と呼びます。マレーシアで製造するバブルバス、リップクリーム、シートマスクといったライセンス化粧品でも、この2つの関門は変わりません。

Disney FAMAとマレーシア製ライセンス化粧品(キャラクターコスメ)の製造

対象範囲

キャラクター・エンタメのライセンスのもとでマレーシアで製造する化粧品・パーソナルケア製品(バス・ボディ、ハンド衛生、リップケア、マスク、日焼け止め、フレグランス、メイクアップ化粧品)を対象とし、DisneyのFAMAを具体例として取り上げます。玩具、繊維製品、食品は別の製品規制の対象となるため、対象外です。ライセンス条件は契約ごとに異なり、ライセンスの一般的な仕組みを述べている箇所も、実際の運用は個々の契約書の定めに従います。

キャラクターコスメとは、キャラクターやエンタメIPのライセンスを受けて、そのキャラクターをパッケージや商品に用いた化粧品・パーソナルケア製品です。ライセンシーとは、IP権利者(ライセンサー)から、定められた製品・地域・チャネルでキャラクターを使用する許諾を受けた企業です。

Disney FAMAとは?

Disney FAMA(Facility and Merchandise Authorization:施設・商品認可)とは、指定されたライセンシーまたはベンダーが、そのライセンシーとDisneyとの書面契約に従い、指定された施設でDisneyブランドの製品を製造・流通することを認める、Disneyの書面による確認です。Disney自身の申請要領では、ライセンシーが使用を予定する施設ごとに取得しなければならない文書と説明されており、ILSマニュアルには、署名済みのFAMAを受け取る前に生産を始めてはならないと明記されています。

ビジネス上、重要な特徴は3つあります。

Disneyは世界有数の消費者製品ライセンサーで、FAMAはそのブランド基準を実際の生産拠点に結びつける仕組みです。Marvel、Pixar、Star Warsの製品も同じ文書の対象となります。これらのブランドは、Disneyとその関連会社が所有または管理しているためです。

DisneyのILSプログラムとは?監査で確認される内容は?

Disneyの国際労働基準(ILS:International Labor Standards)プログラムとは、1996年に設けられたサプライチェーンの労働基準プログラムで、ライセンシーとベンダーは取引の条件として、Disneyの製造業者行動規範(Code of Conduct for Manufacturers)を遵守することに同意します。Disneyブランドの製品を製造する施設は、生産前にDisneyへ開示し、このプログラムを通じて認可を受けなければなりません。

行動規範は、国際労働機関(ILO)の中核的条約と整合するように作られています。実際の監査では、次の点が確認されます。

規範の領域 化粧品工場で監査員が確認すること
児童労働・強制労働 採用記録での年齢確認、強制労働・債務労働・刑務所労働がないこと、身分証明書を預からないこと、外国人労働者の倫理的な採用
強要・ハラスメント・差別の禁止 懲戒・苦情処理の手続き、採用・昇進の慣行
結社の自由 従業員が自ら選んだ組織に加入・結成できること
安全衛生 防火、化学物質の取り扱い・保管、機械の安全装置、保護具(PPE)、寮・食堂がある場合はその基準
賃金・労働時間 マレーシアの法令に照らした賃金、残業、休日、休暇。正確な勤怠・給与記録
環境・その他の法令 適用される環境・法令上の要件の遵守
下請け・モニタリング 開示されていない下請けがないこと、抜き打ち監査への協力、是正措置の実施

行動規範の重要項目への違反を是正しなかった場合、Disneyブランド製品の生産認可が取り消されることがあります。つまりFAMAを持つ工場は、この行動規範に照らして監査を受け、合格したか、Disneyが求めた是正措置を完了した工場だということです。

なぜライセンス商品には工場認定が必要なのか?

ライセンス契約で定められているうえ、サプライチェーン上のすべての工場に関する評判リスクを、IP権利者が負うためです。キャラクターブランドの商品は、子どもや家族のために購入されます。サプライヤーで労働や安全の問題が起きれば、サプライヤー以上にブランドが傷つきます。そのためDisneyは、最初の1個を製造する前に、すべての施設を開示して認可を受けることを各ライセンシーに求めており、ほかの多くのエンタメ系ライセンサーも同様の工場承認の手続きを設けています。

ライセンシーにとって、これはクリティカルパス上の明確な関門です。まだ監査を受けていない工場では、申請、監査の日程調整、監査そのもの、是正措置のサイクルがすべて生産開始前に必要となり、発売までに数週間が加わります。すでにFAMA認定を受けている工場には、その実績が記録として残っています。新しいライセンシーも、施設を指定した自社のFAMA申請は必要ですが、Disneyは審査のうえで既存の監査履歴を活用できるため、通常は初回監査よりはるかに早く進みます。

工場がFAMA認定を受けるまでの流れは?

FAMAは工場ではなくライセンシーが申請し、Disneyによる監査記録の審査と是正措置の完了を経て、署名済みのFAMAが発行されます。

  1. ライセンシーが申請する。工場ではなくライセンシーが、DisneyのILSプロセスを通じて施設のFAMA申請を行います。施設の詳細と、必要に応じて最近の社会的コンプライアンス監査報告書を添えます。
  2. Disneyが監査記録を審査する。国や施設の履歴に応じて、認められたプログラムによる最近の監査を受け入れる場合と、承認された監査会社によるILS監査を求める場合があります。
  3. 是正措置を完了する。指摘事項は重大度で分類されます。工場は是正措置計画を提出・実施し、重大な指摘は認可前に解消しなければなりません。
  4. Disneyが署名済みのFAMAを発行する。Disneyブランド製品の生産は、ライセンシーが署名済みの文書を受け取ってから開始できます。
  5. 更新する。FAMAは1年以内に失効するため、ライセンシーは期限前に再申請します。工場は、一度だけ準備するのではなく、年間を通じて監査に対応できる状態に記録を保ちます。

キャラクターコスメにはどんな製品がある?

化粧品のキャラクターライセンスは、主に子どもや家族向けに購入される製品や、ファン向けの限定コラボレーションに使われます。

いずれも、マレーシアの法律上は化粧品です。工場のFAMAは、これらの製品の安全性や適法性については何も示しません。それを担うのは規制当局です。

ライセンス化粧品にもマレーシアの化粧品規制は適用される?

はい。ライセンス製品であっても、ほかの化粧品と同じく、NPRAへの届出、化粧品GMPのもとでの製造、成分・表示・訴求の規則がすべて適用されます。マレーシアでは、化粧品はマレーシア国家医薬品規制庁(NPRA)が、1984年医薬品・化粧品管理規則(Control of Drugs and Cosmetics Regulations 1984)に基づき、ASEAN化粧品指令をもとにした届出制度で管理しています。

届出者は通常、工場ではなくブランドオーナーまたはライセンシーです。工場の役割は、GMPのもとで製造し、届出の根拠となる製品情報ファイルを提供することです。届出の流れは、日本語ガイド「NPRA届出・登録:化粧品の届出とサプリメントのMAL登録」で紹介しています。

FAMA・ライセンス契約・SMETA・GMP・NPRA届出は何が違う?

ライセンス契約はキャラクターを使う権利、FAMAは工場の労働基準監査への合格、化粧品GMPは製造品質、NPRA届出は製品をマレーシアで販売できることを証明するもので、それぞれ証明する内容が異なります。ライセンス商品のプログラムでは多くの書類が発生し、それぞれが何を確認するものかを取り違えるバイヤーは少なくありません。次の表は、ライセンシーの調達チームから「承認を受けていますか?」と尋ねられたときに、ORIZI Groupが社内で使っているものです。

書類 発行者 証明すること 証明しないこと
ライセンス契約 IP権利者(例:Disney)からライセンシーへ ライセンシーが、定められた製品・地域・チャネルでキャラクターを使用できること 工場や製品の規制上のステータスについては何も証明しない
FAMA Disneyからライセンシーへ(指定施設について) 工場がDisneyのILS労働基準監査に合格し、そのライセンシーのDisney製品を製造できること 製品の安全性、GMP、ほかの企業がキャラクターを使う権利
Sedex会員・SMETA監査 Sedex(監査は承認された監査会社) 認められたプラットフォーム上の社会的コンプライアンス監査で、多くのバイヤーと共有できること Disneyの認可(Disneyが証拠として受け入れる場合はあるが、FAMAは別途必要)
化粧品GMP(NPRAのリスト掲載、ISO 22716) NPRA、認証機関 工場の製造品質システムが化粧品GMPを満たしていること 労働基準、IPの認可
NPRA化粧品届出 NPRAから届出者へ その製品をマレーシアで販売できること 誰が製造できるか、アートワークがライセンスを受けているか
アートワーク承認 IP権利者(ライセンシー経由) そのパッケージデザインを生産できること 規制上の表示の適合(別途確認)

工場のFAMAを確認する方法は?

公開データベースでは確認できないため、工場に署名済みのFAMAの提示を求めて確認します。Disneyは申請書類とILSマニュアルを公開していますが、認可施設の検索可能なリストは公開しておらず、FAMA番号による照会もありません。確認方法は、ほとんどのライセンサーの承認と同じです。ライセンシーが署名済みの文書を保有し、取引を検討する顧客が工場にその提示を求めます。通常は、ライセンシー名などの商業上の機密事項を伏せた状態で提示されます。「Disney承認済み」とうたいながらFAMAを提示できない工場や、自社の宣伝にDisneyのキャラクターを使っている工場には注意が必要です。後者は、それ自体がFAMAで守られるべき規則への違反です。

NPRA・JAKIM・SSMなど、マレーシアのOEM工場の確認方法全般は「化粧品OEM工場の選び方:マレーシアの工場を10分で確認する方法」でまとめています。

ORIZIの視点

ORIZI Groupの化粧品会社であるDr Orizi (M) Sdn. Bhd.(ペラ州イポー)は、Disney FAMA認定施設です。Sedex会員としてSMETA監査を受けており、化粧品GMPの適合施設としてNPRAのリストに掲載され、ISO 22716の認証を取得しています。これらの仕組みのもとでライセンス商品のプログラムを運営してきた経験から、2つの点が見えています。

第一に、監査は書類から受ける印象以上に重なり合っています。ILSの行動規範、SMETAの4つの柱、マレーシアの雇用法令は、同じ記録を確認します。採用ファイル、勤怠・給与、安全点検、化学物質の保管、寮や食堂がある場合はその基準です。ひとつのプログラムのために記録を常に最新に保っている工場は、次のプログラムにもほぼ対応できます。同じ監査履歴が、Disneyだけでなくほかのキャラクターライセンサーの承認にも役立つのはこのためです。

第二に、ライセンス商品の発売で時間を失うのは、製造ではなくアートワーク承認です。IP権利者に提出した後でパッケージの校正が変われば、承認の時計はリセットされます。そのためORIZI Groupは、ライセンシーがアートワークを提出する前に容器の構造と展開図(ダイライン)を確定し、同じ校正で規制上の表示チェックも行います。こうして、IP権利者が承認したデザインが、そのままNPRAの表示要件も満たすデザインになります。工場認定とアートワーク承認という2つの関門を先に計画したライセンシーは、処方開発、安定性試験、届出、生産を通常の開発期間内に収めやすくなります。

実務上の制約として、FAMAはライセンシーごとに発行される期限付きの文書で、新しいライセンシーやプログラムの認可は常にDisneyの審査によります。ORIZI Groupは施設の詳細と裏付け書類を提供し、申請そのものはライセンシーが行います。当社の対応範囲は「ライセンス・キャラクターブランドのOEM製造」で紹介しています。

注意点・よくある失敗

よくあるご質問

Disney FAMAとDisneyのライセンスは同じものですか?

いいえ。ライセンスは、ブランドオーナーが定められた製品にDisneyのキャラクターを使う権利です。FAMAは、Disneyの労働基準監査に合格した特定の工場が、そのライセンシーのためにそれらの製品を製造することを認めるものです。工場はライセンスを持たずにFAMAを保有でき、ライセンシーはその施設のFAMAがなければ、どこでも生産できません。

FAMAの有効期間はどのくらいですか?

FAMAは、Disneyによる取り消し、ライセンシーとDisneyとの契約の終了、発行日から1年の経過、のうち最も早い時点で失効します。ライセンシーは期限前に更新し、工場は年間を通じて監査記録を最新の状態に保ちます。

FAMA認定工場で製造すれば、マレーシアのNPRA届出は不要ですか?

いいえ、必要です。FAMAは工場とライセンシーに関するものです。マレーシアで販売するすべての化粧品は、別途NPRAへの届出、化粧品GMPのもとでの製造、規則に沿った表示が必要です。届出者は通常、ブランドオーナーまたはライセンシーです。

キャラクターコスメのOEMを依頼するには、何が必要ですか?

まず、IP権利者とのライセンス契約が必要です。そのうえで、ライセンシーが製造施設を指定してFAMAを申請し、製品はNPRAへの化粧品届出、パッケージはIP権利者のアートワーク承認を受けます。工場認定とアートワーク承認の2つを先に計画すると、開発全体を通常の期間内に収めやすくなります。

FAMA認定工場は、自社の宣伝にDisneyのキャラクターを使えますか?

いいえ。キャラクター、ロゴ、名称はDisneyに帰属し、使用できるのは契約に基づくライセンシーだけです。工場は「Disney FAMA認定施設」であると表明することはできますが、キャラクターを表示したり、Disneyのパートナーと称したりすることはできません。

Disney FAMAは、ほかのキャラクターブランドの製造にも役立ちますか?

間接的には役立ちます。ほかのエンタメ系ライセンサーも同様の工場承認の審査を行っており、そこで確認されるのは、同じ監査記録、是正措置の履歴、GMPの仕組みです。ただし、FAMA自体が有効なのはDisneyブランドの製品だけです。

工場が本当にFAMA認定を受けているかは、どう確認できますか?

署名済みのFAMAの提示を求めます。Disneyは公開の登録簿や番号照会を運用していないため、通常はライセンシーの情報を伏せた状態で示される文書そのものが証拠になります。自社の宣伝にDisneyのアートワークを使っている工場には注意が必要です。

参考資料

関連ガイド

更新履歴

2026年10月12日 — 日本語版を公開(英語版2026年9月22日公開記事をもとに日本語読者向けに再構成)

2026年9月 — 英語版を初版公開(Dr Orizi施設のDisney FAMA認定を受けて)

ライセンス・キャラクターブランドの化粧品をご計画の場合:ライセンスを受けたIP、製品カテゴリー、ターゲット市場をお知らせいただければ、工場認定のルート、NPRAの要件、現実的なスケジュールを確認します。詳しくは「ORIZI Groupのライセンス・キャラクターブランドのOEM製造」をご覧いただくか、お問い合わせください。